11月3日(日)、吉野地区で里山再生活動を行いました。
朝9時に「ふじのマレットゴルフ場」に参加者が集合し、早速作業を開始しました。
マレットゴルフ場は、長年にわたる人の往来で地面が踏み固められ、水や空気が地中に浸透しにくくなっています。
この影響で桜の木が「根上がり」を起こしている状況です。
桜の木の樹勢回復作業
木が健康に育つには、根に十分な水と空気が行き届くことが重要です。
そのため、木の根周りにロングバールやロングマイナスドライバーを使って縦穴を掘り、そこに炭や落ち葉を入れる作業を行いました。
これによって根が呼吸しやすい環境が整えられ、桜の木も回復に向かっていくことが期待できます。約1時間でこの作業を終え、次のポイントへと移動しました。
甲州古道「下川橋」の整備
次に訪れたのは、甲州古道沿いの「下川橋」です。
ここでは、9月の集中豪雨により、上流から運ばれてきた土砂や枝木が沢に堆積し、川の流れがせき止められていました。
このため、堆積物を取り除いて沢の詰まりを解消し、細かな枝木は土留めの資材として利用。
さらに竹を火にくべて竹炭にしました。
火起こしは前日までの雨で湿気が多く難航しましたが、杉の葉を大量に使ってなんとか着火。
火力が上がれば、濡れた竹も次々と燃え、作業もスムーズに進みました。
なお、この場所での火の使用については、事前に地域の消防署に申請し、承認を得て実施しています。
沢の横で行うことで、水がすぐに使えるため消火も迅速に行える点がとても効率的でした。
斜面変換線の水脈作り
今回の最後の作業は、斜面変換線に沿った水脈作りです。
過去にコンクリートが敷設された影響で、斜面変換線からの水や空気が地中に抜けにくくなり、斜面がオーバーハング状態となっていました。
このため、斜面とコンクリートの境界部分に溝を掘り、竹炭と枝木を用いて水脈を整備。
この水脈が泥で埋まらないよう、土留めも入れて水脈を保護。
さらに、焼き杭を地中に打ち込み、詰まりがちな地中の空気と水が杭を伝って流れることを期待しています。
また、菌糸の発達を促し、環境が少しでも安定するよう願っています。
今後の目標
この水脈だけでは、オーバーハングしている場所の完全な保護は難しいかもしれません。
そのため、どんぐりを拾ってきて、この土留めや斜面に植える計画も立てています。
うまく芽が出れば、将来的にはこの地を支える大樹に成長してくれるのではないかと考えています。
以上で、今回の作業はすべて終了しました。
ご参加いただいた皆さま、1日お疲れ様でした。
今後も吉野地区の里山を守り、次世代へ引き継いでいけるよう、活動を続けてまいります。