気候変動の藤野学とは

2015年の終わり頃、白井信雄先生(当時、法政大学サステナビリティ研究所教授、現在、山陽学園大学地域マネジメント学部教授)から

「“気候変動の地元学”を藤野でやってみませんか?」

というお誘いを受けたことがきっかけです。

地域で発生している気候変動の影響事例を調べ、その共有化を出発点にして、気候変動の将来にわたるリスク(および機会)を考えながら、自分たちでできる「自助」とみんなで行う「互助」の視点から、具体的な適応策を検討していく活動。

ふるさと芸術村構想や持続可能なまちづくりなど、地域コミュニティ活動を市民主体の自発的なプロセスで実践してきた藤野(人口8500名。かつては神奈川県津久井郡藤野町。現在は相模原市緑区)。

このプロジェクトも、有志の市民中心に進めていくことになり、「気候変動の藤野学」と名づけられました。

NPOふじの里山くらぶがコーディネートを行い、白井先生との協働で方法をデザインし、運営することとして、2016年春にスタート。現在はふじの里山くらぶを中心に自律的な運営を行なっています。

今までの活動

一部の市民だけによる活動から、自治会やトランジションタウンなどとの連携によって、より多くの市民が参加できるようにしたいと考え、自治会の自主防災組織や、今回の災害時に積極的に動いたコミュニティカフェの関係者を招き、彼らの情報提供および参加者による対話会を行いました。

参加者は従来の倍以上となる30数名に増え、地元民/男性/年配者中心だった構成にも、移住者/女性/子育て中のお母さんらが新たな層に加わりました。

また、これまでは自助中心だったテーマが、台風19号による被災体験を踏まえ、自助に加えて、共助と公助のテーマも論点として出てきました。

例えば「災害時に誰がどこにいるのかのリアル情報をどのように把握すべきか」「自治会に加入していないネットワークの外にある人の防災時のケアをどうするか」「個人の自己判断の前に、組織力(地域力)で避難できる体制が必要では」など。

これからの「気候変動の藤野学」の課題は、地域住民一人ひとりの意識変容を下支えしていく活動を続けていくのと同時に、行政(相模原市)や自治会などと適切なパートナーシップを構築しながら、自助・共助・公助のよりよいバランスを探っていくことだと考えています。

「令和2年度 気候変動アクション環境大臣表彰」受賞

「気候変動の藤野学」の活動において、『令和22 年度 気候変動アクション環境大臣表彰』を受賞しました。

この賞は、気候変動の緩和及び気候変動への適応に顕著な功績のあった個人又は団体に対し、その功績をたたえるため、環境大臣が表彰を行うものです。

2016年から約5年間、継続的に活動してきたことを評価いただいたものと思います。

ここまでご指導・ご助言いただいた白井信雄先生はじめ、ワークショップに参加いただいた方々、さまざまに支えていただいた方々など関係された皆々様に、心より御礼申し上げます。

これをきっかけに、藤野のより多くの個人や団体に参加いただけるよう、活動を広げていきたいと思います。

相模原市長を訪問

2021/1/5㈫、気候変動アクションの環境大臣表彰の受賞報告のため、相模原市長へ訪問してきました。

社会課題の解決は、ひとつの組織によって担えるものではなく、オールふじの、オールさがみはらでの動きが今後ますます必要になってくると感じています。

今回の環境大臣表彰を「はじまりのはじまり」として、地域の各団体や住民の方々と連携を深め、この社会課題に取り組んでいきたいと思っています。

大地(森)の再生活動

住民による具体的なアクションの1つとして、大地(森)の再生活動を4月10日にスタートしました。

相模川上流の森で1年間かけて、継続的に森の再生作業を参加者同士で協働して行なっていきます。

そして、ここでのノウハウを城山、津久井、相模原…と、下流域へ展開していく予定です。