気候変動の藤野学について

2015年の終わり頃、白井信雄先生(当時、法政大学サステナビリティ研究所教授、現在、山陽学園大学地域マネジメント学部教授)から「“気候変動の地元学”を藤野でやってみませんか?」というお声がけをきっかけにスタートした、有志の市民によるプロジェクト。

NPOふじの里山くらぶがコーディネートを行い、白井先生との協働で方法をデザイン・運営することとして、2016年春にスタート。現在はふじの里山くらぶを中心に自律的な運営を行なっています。

地域で発生している気候変動の影響事例を調べて共有し、気候変動の将来にわたるリスク(および機会)を考えながら、自分たちでできる「自助」とみんなで行う「互助」の視点から、具体的な適応策を検討していくための活動を、様々な団体と連携して展開しています。

今までの活動

2016年春から現在(2021年)まで、3つのステージに分けて進めてきました。なお2020年は新型コロナウイルス感染者抑制のため、対面での活動を自粛。2021年は、今まで集めた情報や課題に対して、市民が実際に活動していくための機会や場作りを行っていきます。

第1ステージ<実態調査>

過去から現在における気候変動の影響が地域の環境や暮らしの中にどのように現れているのか?参加した地域住民へ調査。調査票に沿って記入してもらい、その結果を整理しました。

第1ステージ<実態調査>

それでは、各ステージがどのような取り組みであったのかを、もう少し詳しく見ていくことにしよう。 <気候変動の影響事例調査> 気候変動の影響事例調査票は「いつ頃から…

第2ステージ<テーマ選定>

第2ステージでは、第1ステージでまとめた調査内容をもとに、基本的な段取りに沿ったワークショップを実施。これから取り組むべき優先課題を3つ選定しました。

第2ステージ<テーマ選定>

気候変動の影響事例調査結果を見ながら、次の展開として参加者が「重大性」「緊急性」「確実性」の3つの視点から、向き合うべき優先課題を対話によって特定していった。 …

第3ステージ<テーマ実践>

3つの優先課題を今後どのように実践するか?の話し合いを行い、参加住民一人ひとりが「できることを少しずつやる」ことをまとめ、地域への発信を行っていきました。

第3ステージ<テーマ実践>

いよいよ最終的な段階として実践のステージに移行することになった。それまでも参加者数は15名前後であり、あくまでも少数の有志による自発的な動きという流れに沿って、…

台風19号被災を受けて住民による対話会

2019/12/8、台風19号到来の前から予定されていた「気候変動の藤野学」を開催。この被災からの学びを深めるため、自治会の自主防災組織やトランジションタウンなどと連携し、災害時に積極的に動かれた方々からの情報提供や参加者による対話会を行い、助け合いや協働というテーマについて活発な意見が交わされました。

再出発に向けて〜可能性と課題〜

2019/12/8、台風19号到来の前から予定されていた「気候変動の藤野学」を開催することになった。従来の取り組みの延長線上ではなく、今回の被災からの学びを込めたいと強く…

「令和2年度 気候変動アクション環境大臣表彰」受賞

「気候変動の藤野学」の活動において、『令和2年度 気候変動アクション環境大臣表彰』を受賞。

この賞は、気候変動の緩和及び気候変動への適応に顕著な功績のあった個人又は団体に対し、その功績をたたえるために環境大臣が表彰を行うものです。2016年から約5年間、継続的に活動してきたことをご評価いただきました。

2021/1/5に、気候変動アクションの環境大臣表彰の受賞報告のため、相模原市長を訪問。

オールふじの、オールさがみはらで社会課題を解決していく必要性を確認し、今回の環境大臣表彰を「はじまりのはじまり」として、地域の各団体や住民の方々と連携を深め、この社会課題に取り組んでいきたいと思っています。

大地(森)の再生活動

気候変動に伴う集中豪雨の増加、そして土砂災害。担い手不足により、荒れて保水力を失った森林を「小さなシャベルひとつで」「人の力で」本来の豊かな状態へと改善していく活動です。

山間地域に住む私たちが、自然を守り育て、共に生きていくための知恵がこの活動にたくさん詰まっています。

地域の団体や住民と連携し、気候変動への具体的なアクションとして取り組んでいることのひとつです。

CoToLiの森プロジェクト

2021年4月、秋山の無生野(上野原市)にある「CoToLiの森」にて、大地(森)の再生活動をスタートしました。

「小さなシャベルで、女性でも子どもでもできる森の再生」をテーマに、相模川の源流に近く、キレイで美味しい岩清水が湧き出るこの場所を、豊かな森へと再生していく年間プロジェクトです。

ここで得た経験をもとに、この大地(森)の再生活動を下流域(藤野→相模湖→津久井→相模原)へと展開していく計画です。

お知らせ・イベント情報

  • 【レポート】12月5日(日) ふじの防災大作戦〜つなげよう地域の自主防災〜
    『気候変動の藤野学』では、気候変動による地域の影響を考え、その対策を住民主導で検討していく活動です。 今年(2021年)はその気候変動の影響により生じている災害に対する『具体的なアクション』を色々と実践しており、『ふじの […]
  • 【12月18日(土)講座】小さなシャベルでできる森の再生活動
    イベント概要 CoToLiの森はスギやヒノキの針葉樹林で、間伐はしていたものの地面に草があまり生えず、斜面の土は乾いて崩れやすい状態になっていました。 この森で今年(2021年)の2月から、全国で展開している『大地の再生 […]
  • 【12月5日(日) イベント】ふじの防災大作戦〜つなげよう地域の自主防災〜
    2019年の台風19号での被害を受けて地域内の防災意識が高まりを見せ、同時に様々な課題も浮き上がってきました。 中山間地域に住む私たちにとって『土砂災害』は身近なリスクであり、次回同じようなことが起きたとき、住民一人ひと […]
  • 【レポート】10月16日㈯ 森の再生活動 10月講座
    前日の雨予報は予報にとどまり、太陽に恵まれた暖かい気候のもと、森の再生活動 10月講座が開催されました。 今回は、『国連生物多様性の10年市民ネットワーク代表』の坂田マサコさんと、主催する『坂田の杜』メンバーの皆さまにも […]

運営団体

人と地域をつなぐコーディネーター

NPO法人ふじの里山くらぶは、「この地域にある文化と資源を最大限に利活用し、地域を発展させる」ことをミッションに、人と地域をつなぐコーディネーターとして活動しています。

「藤野の魅力を自分たちで発見し、創り出し、内外の人に伝える」ことに日々取り組んでおり、この「気候変動の藤野学」のほか、人と地域をつなぐ情報サイト「@Fujino」の運営や、相模原市博物館「吉野宿ふじや」の運営を担っています。