2019/12/8、台風19号到来の前から予定されていた「気候変動の藤野学」を開催することになった。従来の取り組みの延長線上ではなく、今回の被災からの学びを込めたいと強く願った。
まず、一部の市民だけによる活動から、自治会やトランジションタウンなどとの連携によって、より多くの市民が参加できるようにしたいと考え、自治会の自主防災組織や、今回の災害時に積極的に動いたコミュニティカフェの関係者を招き、彼らの情報提供および参加者による対話会を行った。
私たちの新たな意図が伝わったのか、参加者は従来の倍以上となる30数名に増え、地元民/男性/年配者中心だった構成にも、移住者/女性/子育て中のお母さんらが新たな層として加わった。
また、これまでは自助中心だったテーマが、被災体験を踏まえ、自助に加えて、共助と公助のテーマもたくさん論点として出てきた。例えば「災害時に誰がどこにいるのかのリアル情報をどのように把握すべきか」「自治会に加入していないネットワークの外にある人の防災時のケアをどうするか」「個人の自己判断の前に、組織力(地域力)で避難できる体制が必要では」など。
これからの「気候変動の藤野学」の課題は、地域住民一人ひとりの意識変容を下支えしていく活動を続けていくのと同時に、行政(相模原市)や自治会などと適切なパートナーシップを構築しながら、自助・共助・公助のよりよいバランスを探っていくことだと考えている。
写真:塩野哲也さん撮影