2021年末から準備を進めてきました、藤野での森の再生活動。
2月13日(日)、数日前に降った雪もある程度とけ、当初懸念された雪予報も曇り予報に変わったため、地主さんと運営メンバー、講師(大地の再生 関東甲信越 藤井麻紀子さん)で集まり、作業場所となる山と周辺を歩いて視察するフィールドワークを行いました。
中央本線の敷設による影響を見る
まずは、山の水がどのように湖へ向けて流れていくのかを確認。
中央本線が敷設されたときに、山から湖へ向けて流れていた沢(水路)はコンクリートで埋められ、代わりに作られた用水路を伝っていくような構造に。
この辺りには井戸を持っていた家も多く、水道になっていたため、石清水もよく出ていたようです。
今年は山の乾きがひどいらしく、石清水が出てこないとのこと。
その後は、山の入り口でもある、中央道の真下へ移動。
高速道路の雨水が、パイプと側溝を伝って流れ落ちてくるようになっています。
量の多い雨が降ると、側溝では拾いきれずに雨水が溢れ出て、地面を削りながら泥を下流へ運んでしまう状態でした。
山の現状を見て知る
いざ、山へ。
開けた場所を通り過ぎ、山道を登っていくと竹藪が。10年前には筍を作っていたのですが、継ぎ手が見つからず、段々と人の手が遠のいていってしまったようです。
竹藪を抜けてさらに上へ。
視察しながら、所々で道の手入れも行いました。
土だけになっている斜面に段切りを入れて、人が歩きやすいように段差を設ける。
この段差が上から流れてくる水を受け止め、地面の中へ水を浸透させていくようにします。
ここに炭と薫炭を混ぜたものを撒いて、この部分の通気性も良くして、菌糸が生えやすい状態を作りました。
岩で覆われた頂のところには祠が。他にも、水が沸いているところや水の通り道となるところに祠があるようです。
途中、とても興味深い道が。
藤野駅ができるまで、小渕と沢井をつないでいた道。(今は手入れがされていないので、かろうじて歩けるくらい)
昔は夜間も人の往来があり、提灯を持って歩いていく人たちの灯りがとても綺麗だったようです。
いずれ山の整備が進んできたら、この道も復活させてみたいですね。
斜面と地面の境に風と水を通す作業
昼食後は1時間ほど作業。
開けた場所の水はけが悪く、特に西側の山からの水が抜けていないように見えたため、この山の斜面と地面の際の風と水の通りを良くする処置を行いました。
既存物(今まで伐採した枝木や石、伸びた草木など)の整理と、草刈り。そして、水脈(水の通る道)を作る。
1時間ほどの作業でだいぶスッキリしました。
作業内容と目標
本日の視察と作業は無事に終了。
この場所では、今までさまざまな人が関わり、間伐や材の活用、広場作りが行われてきました。
みんなが使いやすい場所にするため、広場の水はけを改善していくことが必要です。
そのためには、上流と下流、両方で水脈の整備を行なっていくことで効果が増していきます。
ここには沢が通っていて、昔の人たちが作った開渠もあるので、これらを埋めてしまっている既存物の整理を行いながら水の通り道をつなげていく作業(沢整備)が中心になりそうです。
ため池の跡もあるので、ここを元に戻していくことで生き物が戻ってくることも期待できます。
人の通り道を土留めを用いて整備していくことで、土が流れていくことを止めることもできます。
そして、山全体に風が通るような動線作り。
これらの作業を通して、広場の水はけ具合の変化を観察し、参加者たちで何ができるのか考え、自然や森の学びを深めていくような場にしていければと思います。
3月に講座を開催します
今回のフィールドワークにて、作業場所や講座内容の見通しが立ちましたので、3月から講座を開催して参ります。
開催時期については詳細決まり次第、HPやSNSにてお知らせいたします。