前日から降り続く雨により開催が危ぶまれましたが、昼間は曇りになるとの予報を信じて予定通り実施しました。
9時から事務所内で座学をスタートして10時過ぎから作業へ移行。作業中は途中パラパラと降る時間帯がありましたが、午後の作業終了まで幸運にも曇りの天気が続き、当初計画していた作業を一通り行うことができました。
座学で水と空気と大地の関係を学ぶ
今回の講座は、マレットゴルフ場を管理している『津久井グループ運営共同企業体』スタッフの皆さまが多くご参加。
今日の講座で学んだことを日常の管理業務の中に取り入れ、ゴルフ場の環境改善を進めていくことを目的としています。
座学内容は非公開のため今回のレポートでは伏せますが、スタッフの方々はもともと里山での暮らしを営んできた人たちなので、これまでの体験や経験と座学のインプットを関連付けながら、ひとつずつ理解を深めていったように感じました。
風の草刈り
座学で何となく頭で理解はしつつも、やはり実際にやってみないとわからないといった雰囲気で、作業へ移りました。
まずはコースの斜面部分に対して『風の草刈り』
草刈り鎌を持って全員でやってみたところ、、時間になっても作業が止まらないくらいに熱中。
作業は10分ほどでしたが、1コースの斜面があっという間に終わりました。
草刈機で行うものは講師が実演。
斜面に入り込んだマレットのボールが、草が長すぎると埋もれて見つからなくなるというのがこの場所特有の課題です。
その場で講師とスタッフさんがやり方や長さを協議して、着地。
利用者の理解を得るためには、プレーにできるだけ支障がない状態で施工していくことがポイントになります。
階段の通気浸透を改善する
長年、人が往来することで地面が踏み固められ、水の通り道となっている場所の改善。
階段の斜面を気持ち踏み場の方へ傾けるかたちで整え、溝を入れます。
この溝に、ロングマイナスドライバーで30-40cmほどの細い縦穴をいくつも開けて水が縦に浸透しやすくします。
溝が埋まらないように枝木と落ち葉を入れて、完了。
時間をかけず簡単に行える、通気浸透を改善する方法とのことです。
地面に落ち葉を撒いてグランドカバーにしました。
土留め
先ほど作業した階段から一段下がったところは、とあるコースの打ち出し場所。
ここから下の方へ水が流れていかないよう、しっかりとした通気浸透処置を行う必要のある場所とのこと。
もともとあった木をまずは取り除いていきましたが、、
その木の下にコンクリートの筒が埋められており、、これが水を遮断するひとつとなっていたようです。
大きめの丸太を使って、ボールが下に落ちないようストッパーの役割も持たせる土留めを作っていきます。
段切りしたところに、先ほどの階段と同じ処置をして、この上に丸太を設置。
そして、焼き杭で抑え止めていきます。
丸太と杭、地面の隙間には枝木や落ち葉を詰めて、泥水のフィルターを作ります。
杭打ち、丸太の運搬と大きさやかたちを考えた設置、チェーンソーを使って先端を加工するなど、、スタッフのおじさんたちはサクサクと進めていきます。
作業中もスタッフの人たちから質問が矢継ぎ早に飛び、そのたびに「なるほどそういうことね」と理解を深めていた様子。
完成はこちら↓
仕上がりを下から見たところ↓
このあと、杭をちょうどよい深さまで打ち込んで仕上げました。
この場所がどのような変化を見せていくか、楽しみです。
水脈と点穴
このコースも土が見えている地面はカチカチ。苔も生えていてとにかく滑ります。
斜面の境界にあたるところへ溝を掘って水脈を作り、空気の出入りと水の浸透ができるようにします。
このままだと雨が降ると崩れてしまうので、枝木や落ち葉を入れていきました。
水脈の途中、2メートル間隔で点穴を掘り、水の縦浸透を促す処置を入れます。
このまま溝の状態だと、ボールが溝にはまりプレーに支障を来たしてしまうため、スタッフさんらのアイデアで竹を置くことにしました。
試し打ちもして問題ないことを確認して、水脈作りは完了。
利用者から不満の声が上がるのでは?といった懸念も作業中にあがりましたが、
「それよりもここをよくすることが大切。利用者にはその意味や目的を説明していく必要がある。」
スタッフのおじさんたちの発言で方向性が整いました。
継続が大事
一通りの作業を終えて、予定通り16時に解散。
最後の感想では「ちゃんと続けていくことが大事」といった言葉が多くの人から出ていました。
5年かけて整備を続けていくことになりますが、人の手でコツコツ続けていくことはすぐ劇的な変化は期待できませんが、着実に効果が出てくるもの。
地域の人たちとともに活動を広げていき、1年、2年と経過していく中で様々な環境の変化を体験していければよいと思います。