[レポート]6/9(日)風の草刈り講座

風森の新たな作業場所は、沢井地区にある古民家と茶畑ならびに敷地周辺です。

imageMILL社さんが、この場所でパーマカルチャーや地域・国際交流をテーマとした拠点・施設を立ち上げるプロジェクトを開始され、敷地周辺の環境整備の面で風森が協力させていただくこととなりました。

4月(2024年)に現地の見立てを実施したところ、放棄茶畑の整備はすぐ着手でき、整備後の環境変化も体感しやすく、場の状態も良くなっていきやすいところであったため、ワークショップ(風の草刈り講座)形式で作業を行いました。

さて、その放棄茶畑。

数年放置されたため、蔓植物に覆われ、剪定もされずに伸びた茶の木が鬱蒼と茂っています。

斜面全体に広がる茶畑、繁茂して向こうが全く見えません
斜面全体に広がる茶畑、繁茂して向こうが全く見えません

付近をスズメバチが飛んでいることもあり、巣を作るのに適当な場所を探しているような状態です。

この場所に風を通すため、茶の木に巻き付いている蔓を取り、枯れ枝をノコギリ鎌や手で取り除いていきました。

ノコギリ鎌や貢ぐわを用いて蔓や枯れ枝を払っていきます
ノコギリ鎌や貢ぐわを用いて蔓や枯れ枝を払っていきます

これから夏場を迎えるため、葉を刈り落としてしまうと、太陽の熱が木に直接当たりすぎてしまい、茶の木が枯れてしまいます。

今回はできるだけ剪定は行わず、枝に絡まった蔓や枯れ枝を払うのみとし、軽く目通しが効く程度に抑えるようにしました。

茶畑の中に入れる人たちは中の風通しを行いつつ、まずは一番下の段に風を通すことをゴールに設定。

茶畑の中にも風の通り道を
茶畑の中にも風の通り道を

やりすぎない、刈りすぎないよう、自然目線での作業を心がけました。

木や植物が自然な状態で育つには、地下部の水と空気の巡りをよくすることが必要です。

地下には木の根があり、木の根によい空気と水が行き渡るようにしてあげると、草木は暴れず(必要以上に強く育たない)、落ち着いた状態で成長してくれます。

今回、茶の木の剪定を行なって地表部の風通しを改善しましたが、地下部の状態が悪い(水と空気が通らない)ままだと、嫌気性の植物が生え、またすぐに藪の状態に戻ってしまいます。

そこで、茶畑の風通しと並行して、斜面変換線の水と空気の詰まりを改善するための水脈整備を行いました。

斜面変換線の水脈整備は、この溝を通して地中への水の浸透と、地上・地中の空気の動きを生み出すためのきっかけ作りです。

茶の木の根本の斜面変換線をツルハシで溝掘り
茶の木の根本の斜面変換線をツルハシで溝掘り

藪を払い、地面の形状が見えてきたところをツルハシで掘り上げ、炭と枝木で水脈にしていきます。

水脈づくり
水脈づくり

参加者それぞれで分担しながら作業を進め、最後はグランドカバーをして仕上げです。

水脈とグランドカバーで仕上げ
水脈とグランドカバーで仕上げ

「作業前と比べ、命を吹き返したようだ」と参加者さんの声。

停滞していた場所の風と空気が動き出したことを、人が五感で感じられたのだと思います。

風通しと水脈を入れた茶畑
風通しと水脈を入れた茶畑

茶畑がとても広く、今回の1日作業ですべてに風を通すことはできませんでした。

一番手前の一列を手入れしただけで気の動きの変化を感じていただいたので、茶畑全体の手入れを行い、風が全体をほどよく通り抜けていくようになったら、とても心地よい場所になるのではないでしょうか。

今後もワークショップや体験DAY形式で、この場の環境改善を進めていければと思います。

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