藤野プレーパークさんとの共同開催、今回が3回目となる大地の再生講座です。
これまで処置した箇所のメンテナンスと、新たに土留めの階段作りを行いました。
まずはメンテナンスから。
昨年(2023年)10月に薮払いと風通し改善、水脈整備を行なった場所の状態観察と手入れを実施。
当時、移植ゴテで水の通り道を作ったところに、小川ができていました。
その小川に多くの芹(セリ)が生えたようで、事前に施主さんが刈り込んでいましたが、刈った芹が小川に堆積し、流れを滞留させてしまっていました。
手道具を用いてこれらの堆積物を取り除き、水の通り道を開いてあげることで、周辺の場の状態が良くなって(泥濘の改善、蚊の抑制など)いきます。
堆積物を一つ残らずきれいに取り除く必要はなく、蛇行した水の流れを作ることを意識し、「曲がる」ところを点で開いていくようなイメージで進めることがポイント。
人目線で水の流れを作ると、真っ直ぐ、直線形にしがち。
真っ直ぐな水の流れは、早い速度で勢いをつけ、周辺の土壌を引っ張っていって(破壊して)しまいます。
ゆっくりと蛇行させて、渦流を作りつつ、速度と勢いを分散させながら流していくことで、水と空気が動き、場の状態が改善していきます。
また、水の入り口と出口の両方を開いて、水と風を通してあげることも重要です。
上流の方はコンクリート三面張りがあり、昨年ほどではないですが藪っぽくなっていたので、こちらも整備。
今後も継続していくことで、草も落ち着き、上流から下流まで良い風と水の流れる場所になっていくと思います。
そして、こちらが今回のメイン作業。
斜面に設置された通り道(階段)の改善です。
斜面にはブランコがあり、その上にはトイレがあるので、人の登り降りが常に発生している場所です。
丸太でステップが作ってありますが、傾斜が下方に向いているため泥が流れやすく、人が通るたびに土を踏み固めていったので、雨が降ると滑り台のように滑りやすくなります。
転倒して怪我をされた人もいるよう。
このままにしておく限り、場の状態はさらに悪化していくので、転倒リスクも高まる一方。
空気と水の循環を保つ土留めによる階段を作ることで、「人が通るたびに場が良くなる」場所へと改善します。
既存のステップのうち、活かせるところはそのまま活かす。
子どもたちが行き来しやすい高さ、段数も考えながら、土留め階段を作っていきました。
段切りしたあと、縦に浸透させるための点穴を入れ、炭、枝葉で泥越し機能を入れ、丸太を据え置き。
杭は焚き火で焼いて「焼き杭」にしたものを利用。
階段の隣にある木の周りにも土留めを設置し、土中へ空気と水を送り込めるようにします。
こちらが仕上がり。
土留めの階段はこんな感じで仕上がりました。
プレーパークで日頃から利用している人たちに試し歩きをしてもらったところ、「一歩一歩が柔らかい」「命が入ったみたい」といった感想をいただきました。
大事に使っていただけそうです。
斜面すべてに階段を通すには、まだ残り3/4くらいあり。
施主さんやプレーパークの皆さんで仕上げていただくと、楽しみながら実践経験が積め、自分たちで整えた場所として愛着も生まれてくるのではと思います。
ランチ休憩後は、大地の再生の現場スタッフとして活動されている key&saayaさんによる植物蒸留会を開催しました。
敷地周辺にある植物を自分で摘み取って、蒸留してみる。
蒸留のたびに変わる香り、植物が出す力を多くの方に体験いただきました。
参加者さんそれぞれが五感を使って、植物や大地とのつながりを感じる時間になったと思います。