佐野川地区の里山整備、今回から新しい場所(佐野川薫風の近く)の竹林整備です。
もともと畑として利用していた場所で、沢のある法面の崩壊を防ぐために竹を植えたようですが、その竹が年々棲息エリアを拡大していき…
手入れも追いつかない状況であったため、県道沿いの擁壁まで群生するようになってしまいました。
雪が降ると、雪の重みで竹が県道に倒れ込んでしまい、車の通行を妨げることが起きていたようです。
本来ここに無いものが、ここまで生えてしまったということで、数本の状態の良い竹を残して刈り取り、竹炭とチップに変えていく作業です。
道路側から、竹の中央から上の部分だけを刈り取り、それを道路下に投げ入れる。
何年かに渡り、このようなやり方が行われていたよう。
↓のように、3-4メートルくらいの高さがある擁壁が、刈り取られた竹と笹で埋まっていました。
道路側から見ると、切られた竹は徐々に枯れ、中途半端な高さで筒が何本も出ているようなかたちになり、竹林の美しさは感じられません。
道路の下を覗けば、廃棄された大量の竹が腐り、ガスを発生させ、臭いと蚊を生じさせています。
切った竹を土に還すところまでを作業の都度行っていれば、このようにはならなかったと思われますが、「(邪魔だから、危ないから)とりあえず切っておけ。あとは捨てておけ。」という、人目線での作業の結果がこれです。
このやり方を続けている限り、後の工程を担う人たちに負担がかかり、持続的な環境整備にはならないように思えます。
今回、敷地の中央に1.5m四方、深さ30cmの穴をあけ、そこで枯れ竹を中心に焼いていき、水をかけて『消し炭』にする作業を行いました。
これにより長年溜め込んだ竹や笹を減らすことができ、焼いた後は竹炭として、今後の環境改善で土中へ用います。
ただのゴミとして放置されていたもの(竹、笹)も、視点ややり方を少しアレンジするだけで循環型に変わっていきます。
佐野川地区は竹林が至るところにあり、今後も竹林の整備を継続していきますので、前述の循環型の整備方法を継続し、実績を積んで横展開していければよいと思います。
作用後は、堆積していたものがだいぶ減り、全体的に風も目通しもきくようになりました。
もう少し竹を残しておきたいとも思いましたが、もともと生えていなかった場所であること、道路に覆い被さったときに迷惑を被るのは地元の人たちであることから、地元の人たちが良いと思える状態に整備していくことを優先しました。
このような状態にしたところが、来年以降どのような植生に変わっていくのかを検証していければと思います。
最後に…
5月に整備した沢の様子が、2ヶ月経ってどんな状態になっているかを見てきました。
砂防ダムの脇から湧き出している水が、下流へ向けて沢となって流れていました。
整備前は水の存在が認識できない状態だったので、こうして水の流れが聞こえる場になり、風景も優しくなったのは嬉しい限り。
下流の方はまだ、堆積物により流れが止められているところがあります。
15分ほど作業をして水の通り道を開いておいたので、今後雨が降ったときにはこの通り道をきっかけとして、沢が形成されていくでしょう。
また定期的に様子を見にいこうと思います。