6月末(2024年)に草刈りを行なった沢井川。
夏のあいだにどれくらい植物が育った(伸びた)のか、ビフォーアフターのチェックと、秋冬に向けた草刈りを行いました。
朝9時に集合後、まずは6月に作業した場所の3ヶ月後の状態観察を行いました。
こちらが、刈払機を用いて河川敷の草をすべて地際で刈り込んだ場所。
人の背丈に草が伸び、地表部一帯を覆ってしまっています。
6月末の作業を行う前は、数本の風の通り道が目に見えて確認できましたが、それも潰されてしまった格好です。
こちらは、風の通り道を刈払機で作り、周辺を手刈りしていたったところ。
先ほどの場所と比べて草丈が半分以下に収まっており、何本か風の通る筋が確認できました。
ただ、この場所は、手刈りで「刈り込み過ぎた」ところなので、草は全体的にまばらな感じ。
沢に降りて地表部を確認した人たちからは、「これまで見なかった草も生えてきた。植生が変わってきたかも。」との報告もありました。
そして、こちらが上流部。
6月の作業時、草の塊をはっきりと残し、風の通り道を作っておいた場所の3ヶ月後の状態です。
草を残しておいたところは、全刈りした場所と比べてほとんど伸びがなく、落ち着いている印象。
9月に大雨が降ったときにオーバーフローした水が、草の塊の間をすり抜けるように流れていった形跡が見られ、「風の通り道=水の通り道」の関係性が確認できました。
・地際で全刈りしたところは、6月以前の姿に戻り…見た目も悪い。
・一方、風の通り道を作る、手刈りの簡易的な方法で手を入れたところは、植生が落ちついていた。
この2点を、参加者全員で認識することができました。
ビフォーアフターの検証結果を踏まえ、今回の作業は「今後の少子化=担い手不足を想定した、簡単な草刈り(つまり、風の通り道を通す草刈り)」を行う方針に全員で合意。
刈払機を持つ人たちで、人が通れる幅の筋を上流から下流へ通し、周辺を手刈りの人たちが手入れしていくかたちで進行していきました。
全刈りしたエリアは茅が繁茂し、人の背丈を越えています。
前回、同じ場所を何人もの人が手刈りで関わることで、結局地際刈りと変わらない草丈にしてしまった反省を活かし、腰から首くらいの高さを目安に「刈り込み過ぎない」ことを意識していきました。
前回、5台以上の刈払機を用いて2時間ほどかけて刈り込んだ場所が、2台の刈払機と女性たちの手作業で、同じく2時間で手入れすることができました。
これまで全刈りをしてきた方からすると消化不良な状態に見えますが、作業を終えた沢井川を上から見た地元の参加者さんが「昔の沢井川の風景に戻った」と仰っていたので、より自然な川の状態、景色へと戻るきっかけが作れたと思います。
昼食を挟んで、午後はさらに上流の草刈りに着手。
↓の写真の左側は、コンクリート法面が蔦で覆われ、茅の堆積で地面も見えない状態。
少し地面を掘ってみると腐臭がしました。
ここも、刈払機2台で上流に向けて風を通し、そこから何本か川へ向けて風が抜けるように草刈りをしました。
下流側も同じように、刈過ぎず、やり過ぎず。
来春にもう1度作業をして、植生を段々と落ち着かせていくことができれば、多くの人に川と生き物たちの音を楽しんでいただける空間になりそうです。
予定通り、15時で作業は終了。
使用した刈払機は4台のみ。
前回(6月)は8台前後の刈払機がフル稼働していたので、エネルギー消費の抑制という面でも成果があったと思います。
小労力、小エネルギーで持続させていくこと。これからの時代に大事なポイントです。
将来に繋がるモデルケースを実践できた気がしています。
来春の作業時、そして、その先の夏、秋に、この場所がどう変化していくのか。
作業に参加した人たちみんなで経過を追っていきたいと思います。
ご参加いただいた皆さま、お疲れ様でした!