10/22(土) ふじの里山ウォーキングレポート

今回のふじの里山ウォーキング〜山の小さな神々と甲州裏街道を結んで歩く〜は、山頂あり・藪あり・古道あり。里山の楽しさに加えて、山の現状のちょっとした厳しさも味わいながらのコースでした。

コース概要

藤野駅(9時スタート)→バス→上沢井バス停→鷹取山→野沢峠→下岩の慰霊碑→倉子峠→和田・ゆずの里センター(ビール醸造所見学)→解散(14時)

まずはバスで上沢井へ

集合時間に全員お集まりいただき、予定通り9:15藤野駅発・和田行きのバスで上沢井まで向かいます。

上沢井のバス停で下車。

早速、道なき道へと入っていきます。

この道を入っていく私たちを見て、近所に住んでいる地元の人から「ここは藪になってて行く人ほとんどいないけど大丈夫?」と声かけあり。

三宅岳さんガイドの『ふじの里山ウォーキング』は、地元の人も知らない道を行くのが特徴であり、コース作りのコンセプトになっています。

コンセプト通りのスタートです。

津島牛頭神社(津島神社)

少し急な傾斜を登っていくと、赤い鳥居が見えてきました。

上沢井地区の氏神と言われており、毎年8月にお祭りが行われているようです(現在は新型コロナウイルス感染抑制のために中止)。

・・奉再建津島牛頭天鎮座・・・大工加藤重ェ門同角左ェ門・・・上沢井部落の元鎮守であろう

ふじ乃町の野立石像群神社と寺院追録(昭和50年 藤野町文化財保護委員会)

「藤野の山の中にある神社の中では手入れが行き届いているところ(三宅さん)」とのこと。

この地域の苗字で多い「加藤さん」が江戸時代に建てられ、昭和58の修復も「加藤さん」によって行われています。

鷹取山

津島神社の奥から藪の中を歩いて鷹取山へと向かいます。

途中、カシノナガキクイムシの穿孔跡とフロス(木くず)のあるナラの木が何本も見つかりました。

既に枯れているものもあれば、まだ枯れずにあるもの、樹液を出してカシナガの穿入に抵抗しているものもあり。来年以降、これらの木がどうなっていくのかが気になります。

藤野15名山のひとつ、鷹取山(標高472.4m)に到着。

烽火台跡のある山です。

永禄天正年間(16世紀後半)の武田氏が所領していた時期に鐘撞堂(かねつきどう)があったと伝えられています。

小山田三兵衛尉信茂が命を承て不慮の警備に洪鐘を是山の頂に懸て合図をなせし所

小山田左兵衛は、武田二十四将の一人で郡内領の国主でしたが、武田勝頼を裏切り、織田信長に不忠を咎められ処刑された人物です(享年44歳)。

蚕影山〜野沢峠〜下岩の慰霊碑

鷹取山の後は、野沢(やざわ)峠を抜けて下岩の慰霊碑へ向かいました。

こちらは蚕影山のお社。下岩地区で毎年4月にお祭りが行われています。

野沢峠は道路が通っていて歩きやすかったのですが、、

ふと、斜面を上がり始めます。登山道とは思えない、斜面にある溝を登る感じに、参加者一同目を疑います。

斜面を登り切ったあとは、藪を抜けます。

鷹取山を眺めつつ、慰霊碑に到着です。

昭和30年と比較的新しく、太平洋戦争で戦死した佐野川地域住民の方々のお名前が刻まれています。

慰霊碑まででちょうど12時。小休憩で各自昼食を取り、倉子峠へと進みます。

倉子峠

なんと、慰霊碑の背後を抜けていきます。

ここも藪化が進行しており、登山道の周囲には比較的大きな木の倒木が至る所で見られ、篠竹や枝を潜ったりかき分けたり、大木をまたいだりしての進行。

登山道の整備が追いついておらず、荒れていく一方であることを認識しました。

峠へ向かう途中に、山の神さまの祠がありました。竹を両サイドに立ててあり、ここに五色の短冊がかけられていたように見えます。

ここまで綺麗に、昔の風習が残っているのは珍しい(三宅さん)とのこと。

そして、倉子峠に到着。

八王子から和田峠を経由して、上野原方面を結ぶ甲州裏街道が通過する峠。

旧佐野川村は、この峠を挟んで東側の和田地区と西側の岩地区に大きく分かれていました。

ここが村の中心とみなされ、小学校があった時代があるようです。

この石垣が組まれた平らな場所が、その小学校跡とのこと。

峠には句碑がふたつ立っています。

春なれや名もなき山の朝霞(芭蕉)

牛阿る声に鴨立つ夕べかな(各務支考)

芭蕉がこの地を訪れた記録はありませんが、芭蕉の弟子筋である美濃派の俳句の伝承があるようです。

和田・ゆずの里センターにてビール醸造所見学

倉子峠を後にし、今回のゴールとなる和田地区へ。

途中、山の斜面に祠があることを偶然発見。三宅さんも「こんなところにあるとは知らなかった」ようです。

急斜面を登らないとわからない場所だったので、上がれる人たちで実物を拝ませていただきました。

見ざる言わざるの石像も。この場所にどのような理由で置かれているのかを、その場で地元の人に電話で聞いてみましたがわかりませんでした。

こちらは、炭窯跡。白炭用とのこと。

上橋詰にある富士講先達碑。

今は木が成長して見えにくくなっていますが、昔は富士山が眺められる場所で、この地域では毎年先達の案内で、講中登山で富士山へ登っていたようです。

ゆずの里センターへ到着。

『JAZZ BREWING FUJINO』の醸造所を見学させていただきました。

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アルコールOKな参加者さんはその場で購入して一杯。運転などの都合でその場で飲めない人たちは持ち帰り購入していました。

地元の水と食材(ゆずやお茶)を使ったこの場所ならではの味を堪能しました。

今回はこのゆずの里センターにて現地解散だったので、ここから藤野駅まで歩いて戻る方や、14:32和田発(藤野駅行き)バスで帰る方などそれぞれ。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

次回のふじの里山ウォーキングは来春(2023年春)予定です。

内容が決まりましたらWEBやSNSでお知らせしますので、お楽しみに!

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